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モーションタイトの特長

1ボルト単体で高い緩み防止力

普通に締め付けるだけで緩みを防ぎます。ねじ山が基準山形よりも座面側にわずかに傾斜しているため、締め付けの際、雄ねじフランク山頂部から雌ねじフランク部へ徐々に接触していきます。荷重が加わると、雄ねじのねじ山が弾性変形し、座面側に戻ろうとする力が働くため、接触面に強い反発力が発生し緩みを防止します。(ねじ山全体が強力なバネの働きをします。)
推奨締め付けトルクは標準ボルトと同等(1.0~1.2倍)です。

2疲労強度1.2倍

雄ねじの構造上、最も大きなデメリットは、はめ合い第一ねじ山に全荷重の1/3程度がかかり、その谷底には最大応力が発生するという、極端に不均衡な構造です。そのため、一定以上の外力が加わると第一ねじ谷底から疲労破壊を起こす原因になります。モーションタイトは、螺合するねじ山をわずかにたわませることにより、はめ合い第一ねじ山の荷重負担を減少させ、疲労強度の向上を実現させました。
考えられる効果としては、以下の通りです。

  • ボルトの本数を減らす
  • ボルトのねじ長さを短くする
  • ボルトをダウンサイジングする

条件1:ダウンサイジングしても緩まないこと
条件2:高めの軸力設定が可能なこと

3焼き付き防止

摩擦係数の大きいステンレスのねじでも焼き付きを起こしません。締結の際、おねじ山頂部から徐々に接触していくモーションタイトは摩擦熱の集中を防ぐため、熱膨張係数が大きいステンレスのねじを締め付けても凝着することがありません。
摩擦係数を下げるために、潤滑剤の塗布や表面処理などを行うことが一般的ですが、作業効率やコスト面においてもモーションタイトは優れた性能を発揮します。

4潤滑油がなくても安定した軸力

標準のねじで軸力テストを行うと、軸力のバラツキがあまりにもひどいので閉口してしまいます。たった10本のテストでも最大軸力と最少軸力の差が2倍程度離れてしまうことも珍しくありません。
ねじ部品の摩擦係数のバラツキなど考慮すべき点も多くありますが、これでは、設計者がボルトのサイズを決めるのに苦労するわけです。
表面処理を行っていない熱処理後の生地の状態(潤滑油なし)で、軸力試験を行うと標準品とのバラツキの差が明確に表れます。さらに、連続10回の繰り返しテストでは標準品は数回で破断に至るものもありますが、モーションタイトはバラツキの幅がわずかな範囲に収まっています。表面処理の有無や種類にもよりますが、±30%といわれる軸力のバラツキを1/2程度に抑えたモーションタイトは、過剰品質という設計のムダを省きます。

5低コスト・高品質・再使用可

転造加工で生産するため、低コストを実現しました。接着剤や他の緩み止め製品を使用されている場合は、代替品として大幅なコストダウンを図ることが可能です。
JIS規格及びISO規格の公差範囲に準拠しているため高品質で、既存のねじとの交換も可能です。モーションタイト専用のリングゲージによる通止め管理(ピッチ・ねじ山角度・有効径管理)を行っています。
熱処理ボルト(強度区分8.8、10.9、12.9)の場合、ねじ山の弾性力が維持されている間は再使用が可能です。モーションタイトは、小径ねじから大径ねじまで強力な緩み防止力を発揮します。

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