製品情報

モーションタイトの概要

ねじの締結において最も多いクレームは、「ねじの緩みと折損」である。ねじの緩みは軸力の低下により発生する。ねじの折損は、最大軸力を超えて締め付けた場合や過少軸力によるねじの緩みから発生する。最大の原因は、締め付けの際の軸力のバラツキであり、接触面の摩擦係数のバラツキが起因となっている。本製品は、その2大クレームを解消するとともに、最も難しいと言われた軸力の安定付与を実現させたねじである。

具体的には、ねじ山を基準山形よりも座面側へわずかに傾斜させ、弾性変形させることでバネ反力を発生させ、強力な緩み防止力を実現した。又、ねじ山頂部に接触圧力を集中させることにより、ねじ面全体の摩擦の影響を受けにくくし、±30%といわれる軸力のバラツキを1/2程度に抑えた。谷底は、独自の大きなR形状とすることで応力集中を緩和させ、標準品の1.2倍程度の疲労強度を達成した。ねじ山のたわみが、外力によるボルト軸のねじれを減少させることで緩みを抑え込み、ねじ面の形状誤差を吸収することで、軸力の安定と片当たり緩和につながる構造となっている。

本製品は、接着剤のようにカスがコンタミになることもなく、高温にも強い。又、締め付け管理も楽で、高い軸力を維持することができる。さらに、通常のねじとほとんど変わらない価格であることも大きな特徴である。

製品化にあたっては、経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン)と名古屋市工業研究所の支援を受けたことを記すとともに、協力して頂いた方々に感謝の意を表する次第である。

左右非対称ねじ:モーションタイト

はじめに

「モーションタイト」という名前は、「モーション(動き)+タイト(きつい)」の造語で、「緩みにくい物」を表現しています。

現在の60°のねじ山を持つ三角ねじの形状は、実に150年もの間、その形状を変えていません。「ユニファイねじ」「メートルねじ」の規格の差こそあれ、ねじ山の形状はずっと同じままです。モーションタイトは、これらのねじと互換性を持たせながらもねじ山の形状を変えることにより、緩みにくさと疲労強度向上を実現させた新しい規格のねじです。

共同開発者である名古屋市工業研究所によるさまざまな評価試験は現在も継続的に行っており、より良い製品作りに役立てています。

モーションタイトは、ボルトの軽量化によるコスト低減や燃費向上にも役立つなど、無限の可能性を秘めています。今後世界中で流通し、近い将来この規格がデファクトスタンダードになれば、ねじの緩みによる事故も減り、安全な世の中を実現できるのではないかと期待しています。

製品一覧

モーションタイト
ねじ山が、わずかに座面側に傾斜している緩み防止ねじです。
M4~M16までの熱処理製品及びチタン合金製品に対応しています。
六角穴付きボルトは、モノタロウさんミスミさんでも購入可能です。
モーションタイト・ハードタイプ
座面への傾斜角度を大きくすることで弾性量を増やし、強力な緩み防止力を実現した製品です。
M2~M10までの熱処理製品及びステンレス製品に対応しています。
モーションタイト・タッピング(開発中)
緩みにくいタッピングねじを開発中です。
小ねじからタッピングねじへの置き換えを目指しています。
TRIBO(トリボ)
強度区分13.9の高強度ボルトです。
高い軸力と強力な緩み防止力を併せ持っておりボルトのダウンサイジングや数量の削減を実現します。

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